アフガニスタンからの犬猫救出にジョンソン首相夫人が関与?

アメリカとイスラム教過激派組織のタリバンは、アメリカ軍が8月31日までにアフガニスタンを撤退することにと合意していた。ところが、アメリカ軍の支援していたアフガニスタン政府軍が、タリバンの侵攻にほとんど対抗することなく、次々に撤退したため、タリバンが予想以上に早く、8月15日に首都カブールに入った。そのため、アメリカをはじめとする西側諸国の軍人、外交関係者、その国民、並びにそれらの活動に関与したアフガン人たちやその家族を安全に国外に送り出そうと、大わらわで救出作戦が展開されることとなった。

英国政府も、他の国と同様、そのような事態に十分に準備ができておらず、期限内の撤退終了までに、英国に移る権利のあるアフガン人千人ほど(実数はさらに多いといわれる)をアフガニスタンに残したままとなった。それでも合わせて1万5千人を英国へ送ったといわれるが、政府の対応に批判が集まった。その中でも、特に、混乱の中、動物愛護の慈善団体が170匹ほどの犬と猫を飛行機で英国へ送ったことに大きな批判がある。アフガン人の命より犬猫の命の方が大切なのかというのである。

ワレス国防相は、もともと犬猫を優先して救出することはできないとしていたが、突然、その考えを変え、その慈善団体の用意した飛行機で動物を英国に送ることを援助したのである。慈善団体の責任者が、ワレス国防相のスペシャルアドバイザーの電話に脅迫するようなメッセージを残したことが明らかになっているが、それ以外に、ジョンソン夫人が(ジョンソン首相を通じて)国防相に圧力をかけたのではないかという疑いがある。首相官邸はそれを否定しているが、ジョンソン首相の夫人キャリーは、動物愛護活動家として知られている。この経過は、アメリカの雑誌、ニューズウィークのウェブサイトでも詳細に報告された。

ジョンソン夫人のジョンソン内閣に対する影響力の大きさはよく知られている。しかし、このような問題でジョンソン夫人の関与が報じられるのは、ジョンソン首相にとって良いことではないように思われる。