リフォームUK党に票を奪われている保守党

6月13日、YouGovの世論調査で、ナイジェル・ファラージュ率いるリフォームUK党が19%の支持率を記録し、スナク首相率いる保守党を初めて1%上回った。6月14日の総選挙報道は、このニュースが中心になって動いた。

世論調査の権威、ジョン・カーティス教授によると、リフォームUK党が保守党を上回ったのは、数ある世論調査の中でも一つだけで、他の世論調査では、今週、リフォームUK党が支持率を11%から16%に上げているものの、保守党が4〜5%上回っていると分析する。ただし、リフォーム党に支持を移しているのは、もっぱら保守党からだと指摘する。

また、ブリストル大学のポーラ・サリジ教授によると(BBCラジオWorld at One)、リフォームUK党の支持層は、移民の問題に特に強い関心を持つ高齢者男性で、保守党に失望しており、保守党には帰らないと言う。

一方、リフォームUKのファラージュ党首は、保守党をリフォームUKが入れ替えるくらいの意気込みではあるが、実体が伴っていない。ファラージュがリフォーム党の党首に就任し、総選挙に立候補したのは、総選挙が既に始まっていた6月3日であった。政治資金もなく、時間もないとの指摘がある。それでも、保守党は、対処策に苦慮しており、大きな痛手である。

その上、自民党が保守党の強かった地域で着実に支持を伸ばしており、自民党の副党首が保守党の80議席を視野に入れていると発言した。保守党の打つ手は乏しい。