ジョンソン首相は、新型コロナでロックダウン中、法律に違反したとロンドン警視庁に認定され、定額罰金通知を受け取り、罰金50ポンド(8000円余り)を支払った。2020年6月19日の首相官邸での自分の誕生日パーティに出席したためだ。このパーティは、当時ジョンソンの婚約者だったカリー(現夫人)が主催し、ジョンソンはその開催を知らなかったとされる。このパーティにはスタッフを含め30人程度の人が集まり、ハッピーバースデーの歌を歌ったとされる。
当時、同じ家庭の人を除き、室内で2人を超える「集まり」は禁止されていた。仕事上合理的に必要とされる場合は例外とされていたが、この誕生日パーティは、法律違反と認定され、ジョンソン首相はそれを認めた。
なお、罰金は、その当時100ポンドだった。ただし、通知を受け取って2週間以内に支払えば、罰金は半額になる。
ジョンソン首相の場合、この誕生日パーティ以外に少なくとも2つの「パーティ」(集まり)に出席したとされる。ロンドン警視庁の捜査がさらに進めば、ジョンソン首相がさらに罰金通知を受け取る可能性がある。
このニュースは、4月13日の朝刊各紙の第一面で、大きく取り上げられた。タブロイド紙のデイリー・スターは、第一面でジョンソン首相とスナック財相の鼻を大きく延ばして「ピノキオ」と表現している。ジョンソン首相は、これまで繰り返し、パーティゲートで法律違反はないと主張してきていたが、それがそうではなかったことがわかった。ジョンソン首相が、これまで自分に都合の悪いことを否定するが、後にそれが「本当ではない」とわかる例は度重なっている。有権者からの信頼が低下していることは、野党労働党が世論調査で5%あまり上回っていることからも伺われる。また、ジョンソン首相がパーティゲートで議会を意図的に欺いたと見る有権者は、75%(YouGov)、71%(Savanta Comres)いる。一方、ジョンソン首相率いる保守党で、ジョンソン首相の辞任を求める声は少数だ。