2月24日(日曜日)夜、クレッグ自民党党首・副首相は自民党本部で声明を読み上げた。
自民党の元チーフ・エグゼクティブで、上院(貴族院)議員のレナード卿が在任中に女性の党関係者に対してセクシャル・ハラスメントをしていた疑いがあることを、2月21日(木曜日)テレビ局のチャンネル4ニュースが報道した件についてである。
その声明で、クレッグは「レナード卿の行為に対して、間接的で特定されていない懸念が私のオフィスに2008年に届いた。それに対応する行動を取った」と言った。
その「懸念」は、クレッグの首席補佐官であったダニー・アレキサンダー(下院議員で現財務副大臣)がレナード卿に伝え、「そのような行状は、全く許されないと警告した」そうだ。
なお、この声明が出る前、自民党のスポークスマンは、クレッグは「これらの疑いを、まったく知らなかった」と主張していた。
クレッグは質疑応答に応じず、声明を終えた。その後、明らかになったことは、21日(木曜日)に最初に報道したチャンネル4ニュースが19日(火曜日)に、報道の中身をすべて自民党に提供しており、しかも3週間前の日曜日(2月3日)には自民党の幹部にこの件を調べていると知らせていたということだ。つまり、クレッグは、レナード卿のセクシャル・ハラスメント疑惑に答えるまでに少なくとも6日間かけている。
しかも、チャンネル4は、被害者の一人(オックスフォード大学政治学講師)が、2009年当時の自民党プレジデントからレナード卿のセクシャル・ハラスメント疑惑がチーフ・エグゼクティブを辞職した原因の一つであると聞いたと主張している件について、19日(火曜日)以来、クレッグがそれを否定するかどうか問い合わせているが返事がないという。
さらに興味深いことは、クレッグの声明とレナード卿の声明とのつじつまが合っている点だ。
レナード卿の声明
“I am disappointed and angry that anonymous accusations from several years ago are once again being made public in this manner in a clear attempt to damage my reputation.
“Let me reiterate that in 27 years working for the Liberal Democrat party, not a single personal complaint was ever made against me to my knowledge.”
これでは、数年前の匿名の疑惑が再び公になった、特定の人物の苦情は私には一つもなかったとレナードの声明は言う。これは、クレッグの「特定されていない懸念」に対応する。
一方では、クレッグ側は、BBCの政治記者に、この問題は、レナード卿の問題ではなく、クレッグとその指導部への攻撃だと、クレッグは感じていると言わせ、レナード卿から焦点をそらせようとしているようだ。
今後の展開が待たれる。