EU交渉第ニ段階へ

12月8日、EUとイギリスは、イギリスのEU離脱に関する第一段階の交渉が進展したとして、第二段階の交渉へ進むことを明らかにした。12月4日に、メイ政権を下院で支える民主統一党(DUP)の反対によって、土壇場で合意に失敗したが、その後のDUPも関与した交渉で最終的に合意に至ったのである。しかし、EUのユンケル欧州委員会委員長とメイ英首相の共同記者会見は、それほど勝利に満ちたものとは言えなかった。この合意の経過はこれから明らかになっていくものと思われるが、この背景には、党内基盤が弱く、脆弱なメイと、EU側には、メイを救って交渉を進めなければ、イギリスはEUとの合意なしに離脱していくという恐れがあったためと思われる。

結局、アイルランドの国境の問題は、北アイルランドを特別に扱わないと保証することなどで将来に先延ばしにされた。イギリスに住むEU市民の権利の争いについては、8年間、欧州司法裁判所(ECJ)がある程度管轄することとなった。

メイは、非常に困難な立場に立たされていた。もし、この12月に第二段階の交渉へ進むことができなければ、ビジネスがメイに見切りをつけていた可能性があった。しかもアイルランドの国境の問題は、時間が立てば解決するというものではなく、さらにねじれる可能性があった。

この中、EU側は、もしここで第二段階の交渉に進めなければ、メイ政権が崩壊するかもしれない、もしそうなれば、強硬離脱派が首相になる可能性があり、イギリスが合意なしに離脱するかもしれないと恐れたようだ。つまり、メイの方がEUの交渉相手としてよりよいとの判断がEU側にあったと思われる。

これまでのメイのEUとの対決姿勢を強調したレトリックから見れば、メイの立場は大きく変わったと言える。

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