7月4日英国総選挙

スナク首相が、2024年7月4日に英国の総選挙を実施すると発表した。それまで今秋の11月に実施されるだろうと見られていたが、急に予定を変えたのである。ただし、これは、率いる保守党に有利と判断したからではない。世論調査の支持率で野党第一党の労働党が44%の支持を得ているのに対し、保守党は20%あまり労働党を下回っている。

総選挙を発表したのは、5月22日の夕方であったが、その翌日の23日朝、公共放送のBBCラジオの看板番組Todayに出演したスナク首相は、元BBC政治部長になぜ今総選挙をするのかとの質問をされたのに対し、まともに答えられなかった。

次期総選挙投票に関する労働党の支持率は高いしかし、労働党そのものや労働党党首キア・スタマーそのものに対する評価は、2015年総選挙で敗れた労働党と党首エド・ミリバンドへのものと変わりはない。すなわち、2010年以来政権にある保守党と保守党党首への評価が大きく崩れたために、労働党に支持が移っている。崩れた政党のイメージとスナク首相の低い評価の下では、保守党に勝ち目はない。

なお、前回の総選挙は2019年12月に行われた。英国の現在の制度では、総選挙が行われた後、初めて議会が招集されてから5年後の日までに下院が解散されることになっている。すなわち、2024年12月17日までに解散されなければならないことになっていた。解散された後、選挙準備のため、選挙までに25日間の平日がなければならない。そのため、首相が解散しなければ、2025年1月28日までに総選挙が行われることになっていた。