2014年を迎えて英国主要3党首の年頭の挨拶が発表された。3者3様だが、いずれも予想の枠内といえる。
保守党の党首キャメロン首相の挨拶は最も「首相的」である。2010年5月から政権を担当してきて、これまでの3年半の実績を強調した。貫禄がでてきた。英国の経済成長が軌道に乗ってきたが、今でもそれは脆弱であり、厳しい政治的決断が迫られるという。さらに国民にとって良い年となるよう祈ったものである。
保守党と連立政権を組む第3党の自民党の党首クレッグ副首相は、3人の中で最も特徴的なものである。自民党は英国をEU内に留めることのできる唯一の信頼できる政党という主張を打ち出した。そして5年に1度行われる、5月の欧州議会議員選挙では自民党へ投票するように訴えた。これが低支持率にあえぐ自民党にとって最も有効だと判断したのだろう。
労働党のミリバンド党首は、昨年9月の党大会以来訴えている生活水準の問題を強調したものである。世論調査でも経済運営の点で保守党に差をつけられている中、この点が最も有権者にアピールするとの判断であると思われるが、ありきたりという感想を禁じ得ない。
総選挙は2015年5月7日実施予定で、1年4か月後である。今年は欧州議会議員選挙の他、9月18日にはスコットランド独立の住民投票もあり、高度に政治的な年と言える。