ミリバンドの市場原則(Miliband’s Market Principles)

ミリバンド労働党党首は、10月6日(日)、9月下旬の党大会でのスピーチで発言したことを確認する発言をした。それは市場(market)に対する考え方に関するものである。

ミリバンドは、1990年代に労働党がダイナミックな市場を求めたことは正しいとした。

そして生活費の上昇で苦しんでいる人を援助するための方法の一つは、市場を公共の利益に適うよう機能させることだとし、その具体的な例として銀行や鉄道を上げた。

つまり、市場で競争が機能しない場合には、その市場のルールを正当なものにする必要がある、そして市場をリセットするという。

これは、基本的に党大会での発表と同じである。そこでは、2015年の総選挙で勝てば、電気・ガスの料金を2017年初めまでの20か月間凍結するとしたが、その間に、きちんと機能していない市場を正すとした。

この原則は、解釈する人によってかなり意味の異なるものとなるように思われる。右の立場の人にとっては、大きな左傾化の動きと見られるだろう。

ただし、運用上は、キャメロン政権でも銀行や鉄道の分野で一定の規制を行っており、それとの違いは、どこに焦点を置くかの問題に過ぎないのではないかと思われる。

デイリーメイル読者とミリバンド記事(Daily Mail Readers’ View on Miliband Article)

デイリーメイル紙が労働党のエド・ミリバンド党首の亡父を「英国を嫌悪した男」と決めつけた件で、右派のタブロイド新聞デイリーメイルの読者でさえそのような言葉を使うことは許されないと考えていることがわかった。

デイリーメイルは保守党支持で、英国第二の売り上げ部数を誇り、インターネット版では英語版で世界最大の読者数を持つといわれる。

その記事は、マルクス主義の学者であった亡父を攻撃することで、左傾化していると思われたミリバンドの危険性を浮き彫りにする狙いがあった。しかし、父への攻撃に怒ったミリバンドはそれに強く抗議している。

ミリバンドの父は、ナチスドイツの迫害でベルギーから英国に逃れてきたユダヤ人難民で、第二次世界大戦中に英国海軍で戦った人物であった。

この問題をめぐる世論調査では、ミリバンドの父を「英国を嫌悪した男」と呼んだことを許されるという人は17%にとどまり、許されないと言う人は72%にも上っている。また、78%の人はミリバンドがデイリーメイルに苦情を申し入れたのは正しかったという。

特に、保守的な見解に共感する傾向が強いと思われるメイルの読者も60%がそのような言葉を使うことは許されないと言っている。

デイリーメイルの記事は、ミリバンドの勢いを削ぐどころか、むしろその勢いを増進した効果があったようだ。しかも、その読者の見方を考えると、今後ミリバンドを攻撃する際にその親族に触れることはかなり難しくなったと言える。

ただし、デイリーメイルにとって最大の問題は、1年の契約延長がなされたばかりといわれる編集長ではないだろうか。これまでカリスマ的なリーダーシップを揮ってきた編集長に大きな疑問が出てきた。今回のミリバンドとの論争を乗り切ったとしても、一度ぐらついた信頼を取り戻すのはそう簡単ではない。

恐らくその最大の受益者は、デイリーメイルにこれまで叩かれ続けてきたミリバンドのように思われる。