英国の総選挙日の賭けスキャンダルはどうなったか?

英国では、政治に関することも賭けの対象になる。総選挙の実施日の予想もその賭けの対象だ。2024年7月4日に行われた総選挙の実施日もブックメーカー(賭け屋)が賭けを受け付けた。

問題は、英国では首相が総選挙の日を決められることだ。そのため、首相が賭けをしなくてもその周辺にいる人たちが総選挙の日の実施予定日を知り、賭けをすることが可能である。2024年7月4日の総選挙は、もともと2024年秋に予想されていた。そのため、意表を突く総選挙となった。

首相の側近の議会担当秘書官(Parliamentary Private Secretary)の保守党下院議員がその情報を基に賭けをしていた。それ以外にも、保守党の選挙関係の職員や首相のSPの警官らも同じ賭けをしていた。

首相の議会担当秘書官の賭けは、不審に思った賭け屋がギャンブル委員会に届け出て発覚し、ギャンブル委員会が他の賭け屋にも報告を求め、同じ情報を基に賭けをしていた人が他にもいることがわかった。それが選挙期間中に報道されたため、保守党にはかなりの打撃となる。

この問題の調査は、これまで警察とギャンブル委員会が進めてきた。そのうち、警察は、「公職の不正行為」になるかどうかを検討してきたが、それに至るだけのものではないと判断し、捜査を終了した。ギャンブル委員会の捜査は「立場上知ったことで不当に利益を得たかどうか」で、まだ続いている。さらに警察は、賭けをした警察官7人が職務規範違反になるかどうかを調べている。