経済成長の鍵の一つは都市の成長

スターマー首相は、Natoのサミットでアメリカに行く前に、英国のイングランドの地域(バーミンガムを含むウェストミッドランズなど広域都市連合)12の市長と会った。これは、地域への分権とそれぞれの独創的な取組みが全体の経済成長の鍵の一つになるとの考えに基づく。それぞれの優先セクターとそれに必要なインフラ整備を報告するよう求めたという。また、同様な地域をさらに広めて行くとの話があったそうだ。なお、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドには分権政府がある。

このミーティングは明らかにスターマー労働党が、これまでに慎重に計画してきたものであり、スターマー首相の準備ぶりがよく現れている。

特に、12の都市のうち、11は労働党の市長であり、保守党の市長は1人だけだが、スターマー首相は他の市長を含めて会う前に、15分間保守党の市長と会う機会を作った。保守党市長でも、ハンデはないというような話があったものと思われる。

地域への分権は、保守党政権下でも推進された。しかし、ジョンソン政権のレベルアップ策に見られるようにあまり効果があがっていないものが多い。それらをさらに大規模に、統合的に行えば一定の効果があるものと思われる。

スターマー労働党では、課題に対する対策案を既に検討しており、それらを次から次に出して行く手法は斬新といえる。