サッカー選手ジョーイ・バー トン

BBCの人気テレビ政治番組「クエスチョン・タイム」は 政治家、ジャーナリスト、コメンテーター、コメディアン (一流大学出が多い)、有名人などを招き、聴衆からの時事問題の質問に答える番組である。

この番組にサッカー選手のジョーイ・バートン が 5 人のパネリストの一人として招かれた。

バートンは、1982 年 9 月 2 日生まれの 31 歳。プレミ アリーグに復活昇格したクイーンズ・パーク・レン ジャーズ(QPR)のミッドフィルダーである。

バートンはこれまで数々の物議をかもしてきた。暴力 事件で 2 度有罪判決を受け、刑務所で服役したこと もある。規律の問題もあり、クラブやイングランドサッ カー協会(FA)から何度も懲戒処分を受けている。

特に印象深いのは 2011-2012 年シーズンの最終日 に QPR がプレミアリーグ生き残りをかけて、リーグ 優勝を狙うマンチェスター・シティと対戦した時のことだ。バートンはテベスに対するひじ打ちでレッドカード を受けたが、その後、アグエロを後ろから蹴り、コン パニに頭突きをしようとした。信じられない光景だった。その結果、12 ゲームの出場禁止処分を受ける。

カッと反応して事件を起こす傾向のある、驚くべき過 去を持つ選手であるが、そのツイッターは有名。政治、社会問題から哲学上の問題まで多様な話 題にコメントし、現在は 250 万を超えるフォロワーを 持つ。

それに注目したのだろう、BBC がバートンを招き、 サッカー選手の「哲学者王」と紹介された。サッカー の選手でこの番組に登場したのは、2 人目だそうだ。 UKIP に関するコメントがメディアで大きく取り上げら れたが、これからも何度も登場しそうである。

将来サッカーのコーチとなろうとしており、欧州サッ カー連盟(UEFA)の A コーチングライセンスを今夏終了する。昨年 9 月からローハンプトン大学で哲学 を学び始めているほか、慈善事業にも関係している。

「問題児」だが憎めない人物バートンの今後が注目 される。

イギリスのウォーキング

ウォーキングはイギリスで人気がある。ただし、イギリスでは、山歩きに近い。ほとんどの場合、山や丘、谷などを歩いてゆき、かなり湿ったところや足元の悪いところを通っていくので、きちんとした登山靴(ブーツ)をはいていく。これは防水とくるぶしを守る意味がある。

イングランドでは最も高い山でも1,000メートルもない。イギリスでもっとも高い山はスコットランドのベン・ネビスで1,344メートルである。つまり、イギリスはかなり平たい国であると言える。イングランドのウォーキングの途中、丘の上からなだらかに波打ったような地形を見ると、それがはっきりとわかる。

それでも、イギリスは縦長の形をしており、南と北では気候も植生もかなり違う。南から北へ自動車で向かうと、道路沿いの木の形が変わっていく。温暖な気候から冷帯ともいえる気候へと変わってくるに従い、植生も変わってくる。そのため、それぞれの地域のウォーキングには、それぞれの特徴がある。 

ウォーキングのルートには公式、非公式のものがあるが、筆者は、妻と一緒にその幾つかを歩いた。特に印象深いのは、イングランド北部を横断するコースト・トゥ・コーストと呼ばれるルートである。もう一つは、スコットランドの西のローモンド湖を通り過ぎて歩くウェスト・ハイランド・ウェイと呼ばれるものである。

コースト・トゥ・コースト(Coast To Coast

概要:アイリッシュ海に面したセント・ビーズから北海に面したロビン・フッド・ベイまでのルートである。セント・ビーズの海岸でブーツの先を海につけ、ロビン・フッド・ベイで再び海につけると海岸(コースト)から海岸まで歩いたということになる。アルフレッド・ウェインライト(故人)が始めた非公式のコースであまり道標がないが、人気がある。かつてBBCがウェインライトとこのコースをシリーズで紹介してから有名になった。湖水地方からヨークシャー・デールを通り、北ヨーク・ムーアズの3つの国立公園を通るコースで、東西で異なる植生も楽しめる。

距離:309キロ

参照ウェブサイト:http://www.wainwright.org.uk/coasttocoast.htmlhttp://en.wikipedia.org/wiki/Coast_to_Coast_Walk                                                                         

ウェスト・ハイランド・ウェイ(West Highland Way

概要:グラスゴーのミルガイからフォート・ウィリアムに向かうスコットランドを縦に歩くコース。地方自治体が共同で管理している。

距離:155キロ

参照ウェブサイト:http://www.west-highland-way.co.uk/home.asp 

さて筆者と妻は、イギリスを縦断するウォーキングを始めた。これは、一般に「ランズ・エンド」・トゥ・「ジョン・オグローツ」もしくは「端から端 (End to End)」と呼ばれるが、私たちは逆のスコットランドのジョン・オグローツ(一般にはジョノグローツと発音される)から始めることとした。少しずつ区切って時間を見つけて歩いていくこととなる。

ジョン・オグローツからランズ・エンド(一般には‘Land’s End to John o’ Groats’)

概要:イギリスの本島であるグレート・ブリテン島の北の端、スコットランドのジョン・オグローツから南西の端、コーンウォールのランズ・エンドまでを縦断するルート。

距離:道路で1,407キロ、徒歩で1,900キロと言われる。

参照ウェブサイト:http://en.wikipedia.org/wiki/John_o%27Groats_to_Land%27s_Endhttp://www.ldwa.org.uk/ldp/members/show_path.php?path_name=Land%27s+End+to+John+O%27Groats 

私たちは2年ほど前に、ジョン・オグローツからスコットランドの内陸部を通り、ヘルムズデールというところまで歩いた。フォーシナードの湿原を通り過ぎたが、ここは野生の鳥などで有名なところである。今回はヘルムズデールからはじめ、インバネス周辺まで歩く予定である。