自民党の生活費危機対策

イギリスの経済はG7で最も成長しているが、賃金上昇は停滞している。むしろ物価の上昇を考えれば、マイナスとなっている。 

この中、自民党は来年5月に予定されている総選挙のマニフェストで、それを考慮に入れた政策を打ち出す構えだ。

自民党は2010年の総選挙で、所得に税のかかり始まる、課税最低限度額を1万ポンド(170万円)に上げると約束した。これは既に達成したが、次の総選挙のマニフェストでは、これを12,500ポンド(213万円)にするという。そしてそれを達成した後、国民保険(National Insurance)の労働者負担を下げたいという。

この国民保険は、実は所得税とそう大きく異なるものではない。積立のように将来のために使われるというものではなく、現在、このお金の大半は老齢年金の支払いに回っている。国民保険は、雇用者と被雇用者の両方が支払っているが、現在、所得が8千ポンド(136万円)以上の人が支払っており、ほとんどの人は所得の12%支払っている。

自民党が国民保険に注目している理由の一つは、所得税の課税最低限度額を上げても、既に所得税を支払っていない低所得者の人たちに恩恵がないことである。 

確かにこれはわかりやすい政策だろう。しかし、これは消極的な政策と言えるのではないか?これをマニフェストの目玉とし、「減税政党」のイメージを与えたいのはわかるが、同時に、もっと積極的に賃金が上がる政策を打ち出すことが必要に思える。

政治家への専門家のアドバイス

2010年総選挙の3党首TV討論で自民党のニック・クレッグ党首が大きな成功を収め、クレッグブームが始まったが、その陰でクレッグは専門家のアドバイスを受けていたことがわかった。しかもこの専門家は、8月初めのスコットランド独立住民投票に関するTV討論で、独立反対側のアリスター・ダーリング前財相にもアドバイスしていたという。ダーリングはその生真面目すぎる性格で面白みや迫力に欠けると見られていた。そのため、討論で賛成側のスコットランド首席大臣のアレックス・サモンドに劣ると思われていたが、しつこく通貨の問題でサモンドに答えを迫り、予想を裏切り、ダーリングに軍配が上がる結果となった。 

この人物はスカイニュースのニュース・プレゼンターだったスコット・チゾム(Scott Chisholm)である 

この人によると、自分の言いたいことをわかってもらうには、簡単な言葉で話すことが大切だという。イギリスの代表的な経済紙ファイナンシャルタイムズは12歳にわかるような言葉を使って書いているとし、一般の大衆紙は8歳から9歳を念頭に置いているそうだ。新聞雑誌記者と話す時にはこのことを考えておかなければならないと警告している。

また、テレビの視聴者に話す時には、視聴者が10歳の子供のように話すことが必要だという。もし、聞き手が、話を聞いてすぐに理解できず、頭の中でプロセスしなければならないようなら、その次の3語から6語が頭に入らないという。つまり、10歳の子供が聞いてすぐにわかるような話をしなければならないというのだ。 

これは、恐らく、政治家に限らず有用なアドバイスだと思われる。