今年5月にあるロンドン市長選(日本の東京都知事選にあたる)に立候補する現職のボリス・ジョンソン(保守党)が、大ロンドン市の地方税(交通、消防、警察、オリンピックなどに使われる)を来年度1%削減すると発表した。昨年12月には凍結と発言していたが方針を転換したのである。
これは、市長選の対抗馬である、前市長のケン・リビングストン(労働党)がロンドンの交通運賃を7%値下げすると公約し、世論調査の支持率でそれまで優位に立っていたジョンソンがリビングストンに逆転されたことがきっかけだ。
ジョンソンはリビングストンがその2期8年間の市長在任中にこの大ロンドン市の地方税を153%アップしたと攻撃している。しかし、ジョンソンの公約の1%減税の効果は、一般家庭で年400円と少額であるのに対し、交通運賃の7%下げは、リビングストンの計算では4年間で1万2千円と、かなりの差がある。
それでも保守党のキャメロン首相の次の党首候補の最右翼であるジョンソンが有利だと見る人が多いが、選挙の公約は、有権者に本当にアピールできるものでなければならないといえる。