ジョンソン首相の素早いUターン

先月保健相となったばかりのジャビド保健相は、既に2度のワクチン接種を受けている。しかし、7月17日、ジョンソン首相やスナク財相と会った後、コロナ陽性のテスト結果を受け取った。そのためジョンソン首相とスナク財相が濃厚接触者と判断され、自己隔離をしなければならない状態となった。

「検査と追跡のシステム」で濃厚接触者として判断され、自己隔離をしなければならない人は、50万人以上に上っている。この自己隔離に従わねばならないため、7月17日にはロンドン地下鉄の路線が閉鎖される事態も発生した。工場の閉鎖など経済にも大きな影響を及ぼしている。

ロンドンなどを含むイングランド(スコットランド、ウェールズ、北アイルランドは分権政府が担当している)でコロナ対応のほとんどの制限が7月19日に解除されることとなっている。その中、首相官邸は、ジョンソン首相とスナク財相は、テストを頻繁に行いながら仕事を続けるパイロット事業に参加し、自己隔離は行わないとした。この制度は、内閣のメンバーであるゴブ大臣が6月にサッカー欧州選手権の試合のためにポルトガルに行って帰ってきた時に使い、自己隔離を免れたことがある。しかし、今回のジョンソン首相らの対応は、大きな反発を招いた。一般の人にはルールを守るよう要求しておきながら、自分たちはルールを守らないという批判である。このため、ジョンソン首相は、発表した157分後には、方針を変え、自分たちも自己隔離すると発表した。BBCの政治記者は、政府の最も素早いUターンの一つだとメントしている。