難しい内相のポスト

アンバー・ラッド内相が辞任し、その後任にサジード・ジャビドが就いた。このポストは内閣の4大ポストの一つであり、メイ首相も首相になるまでラッドの前の内相を務めた。メイは首相になるまでの内相時代、記録破りの6年間生き延びた。しかし、その在任中、移民に敵意ある環境を主導し、本来在留権のある人々に強制送還を迫り、仕事や住居を失わせ、NHS医療を受ける権利を奪ったとしてその責任を問われている。

内務省は、テロ対策を含む国内の治安、移民などを担当している。大きな省の一つであり、内相のポストは重要な仕事で威信があるが、この省はかつてから政治家の墓場とよく呼ばれている。かつては刑務所も担当していたが、それは法務省に移された。それでも運営が困難な省として有名だ。

その理由の一つは、大英帝国の名残が今でも残っているためのように思われる。多くの移民を受け入れた過去があり、移民の管理が徹底してきてこなかった。これには英連邦の関係や人権を重んじるイギリス近代の潮流がある。すなわち、移民などの対応で手を打ちだしにくい数々の問題があった。

その上、メージャー保守党政権の出国検査の廃止に至る状況がある。誰が出国したか記録のない状態が長く続いた。不法移民が100万人いると言われるが、その数ははっきりしていない。労働党政権がこの問題の解決にも役立つIDカードの導入を決めたが、キャメロン連立政権でそれを廃止した。

問題の根本に手を入れず、何か問題が起きればそれに蓋をかぶせていくような、いわばモグラたたきの運営方法では、内務省が政治家の墓場との評判を拭い去るのは難しいように思われる。

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