理屈ではいかない税(Effects of Budget)

3月21日の予算発表とその反応から言えることは、税金は必ずしも理屈だけでは判断できないということだ。

オズボーン財相の予算は、法人税の引き下げなどビジネス志向として評価を受けた反面、二つの税金の問題で非常に強い批判を受けている。それは、最高税率を来年4月から50%から45%に下げたこと、それに年金受給者の控除を凍結したことだ。

最高税率の問題は、年収15万ポンド(1950万円)を超える部分にかかる税率であり、政府としては、他の先進国と競争するためにも、下げたいという意向を持っていた。ただし、財政再建に取り組んでいる最中で、低中所得層が直接影響を受けている中、この税率を下げることは、金持ち優遇だという批判が出ることが予想され、政治的に難しいことは当初から十分に分かっていた。しかし、この最高税率から得られる税収入は、その得失を計算すれば極めて小さいという報告書が出され、しかも200万ポンド(2億6千万円)以上の住宅を買う際には7%の印紙税をかけ、節税策を取り締まり、さらに課税最低限度枠の大幅アップで理解が得られると判断していたようだ。この判断は誤っていたようである。

一方、年金受給者の控除の凍結に関しては、今まで65歳以上の年金受給者は不利な扱いは受けておらず、シンクタンクや新聞の中には必要な措置で妥当だと評価する声がある。しかし、これは「おばあちゃん税」としてマスコミで大きく取り上げられ、不公平な税だと一般に見られている。

特に重要なのは、この二つを結び付けて、金持ち優遇のために、年金生活者のおじいさん・おばあさんが不当な扱いを受けているという印象を与えていることだ。

野党労働党は、オズボーン財相の予算を「百万長者の予算」と名付け、上で述べた印象を機会があるたびに訴えている。政府は、今後かなり長い間これに振り回されることになるだろう。

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