労働党の選挙投票方法変更案

労働党は、来年5月に行われる予定の総選挙のマニフェストに投票方法の変更を入れるとサンデータイムズ紙が報じた

労働党は、既に、これまでの18歳以上に付け加えて、16歳と17歳に投票権を与える計画だが、それに付け加えて、投票方法を大幅に変更する構えだ。 

現在イギリスでは投票は木曜日に午前7時から午後10時まで、指定された投票所で、有権者名簿に載っている人が行う。カーン影の法相は、これは既に時代遅れだという。

有権者名簿には、現在、世帯主が地方自治体から送られてきた書類に記入して事前に登録することになっている。それを投票日に登録することも可能にするという。

選挙委員会の調査によると、登録している人は実際に投票権のある人の85%以下で、750万人が登録漏れしているためだ。特に、19歳から24歳の有権者では56%しか登録していないという。

投票時間は、それぞれの都合に合わせて、学校、図書館、スーパーマーケットなどでも行えるようにする、また投票日や時間も投票日を週末や、場所によっては1週間に延長するなどの策を講じるという。 

保守党は、世帯主による有権者登録ではなく、個人登録に変更する案を持っている。これで郵便投票などによる不正投票を防ぐと言う。これにはその効果があるものの、実際には保守党の党利党略と言える。個人登録となれば登録率は現在よりも下がるだろう。現在でも労働党の強い比較的貧しいところで登録率が低いが、それがさらに下がれば、登録者の数に基づいて選挙区区割りを見直すために、保守党の強い選挙区が増え、保守党に有利となるためだ。

労働党は、この保守党案に対する対案を提出する必要があると思われる。ただし、この報道で見られるような策を実施しても、有権者のアパシーを減らし、投票率が上がるかどうか必ずしも明確ではない。有権者の混乱を招くだけとなるような印象を受ける。簡単明瞭な制度が必要だろうが、それにはもう少し慎重な検討が必要だと思われる。