2015総選挙予測(Projected Next General Election Results)

5月2日に行われた地方選挙の結果を踏まえ、もし2015年に予定されている総選挙でこの選挙結果が繰り返されるとどうなるか?その予測は以下のとおりである(サンデータイムズ紙5月5日)。

保守党:243議席(64議席減)
労働党:331議席(72議席増)
自民党:50議席(7議席減)
UKIP:0議席
その他の政党:26議席(2議席減)

下院の議席数は650であり、労働党が331議席獲得すれば他の政党の議席の合計は319議席となる。労働党は他の政党の合計を12議席上回ることとなり、マジョリティは12である。

この予測は選挙専門家のプリマス大学のレイリングズ教授とスラッシャー教授(以下R/T教授)の分析による。英国の地方議員選挙では、地方自治体の中の小さく区分けされた選挙区、Wardごとに議員が選ばれるが、この2人の教授はその分析を1979年以来行っており、それを総選挙にも当てはめ、その予測には定評がある。この2人の評判は、以下を参照:http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2013/may/01/in-praise-rallings-thrasher
http://ukpollingreport.co.uk/guide/comparisons/
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2013/may/02/local-elections-results-british-political

さて、今回の地方選挙は、イングランドの34地方自治体とウェールズの1自治体で行われたが、BBCがこの選挙結果をもとに地方選挙が英国全体で行われたと仮定して出した各政党の得票率は、R/T教授のものと似通っている。しかし、BBCは2015年選挙の予測はしていない。

BBC R/T教授
労働党 29% 29%
保守党 25% 26%
自民党 14% 13%
UKIP 23% 22%

これらの結果から見た、各政党ごとの次期総選挙に向けての現状は以下のようなものとなる。

UKIP

UKIPの支持は高いが、R/T教授は、2015年の下院選挙では0議席と予測する。下院は完全小選挙区制であり、それぞれの選挙区でトップになることは困難なためである。UKIPが下院で議席を獲得するためには、さらに全国的な支持を上げ、また、UKIPへの投票者が多いと予想される重点選挙区での組織的な選挙準備が必要である。

自民党

自民党は、今回の地方選挙でも4分の1の地方議員を失い、2011年、2012年に続き3年連続の大敗を喫した。全国的には支持が低いが、それでも特定の地域で強い。現在下院議員を選出している選挙区にはかなり強い地盤があり、労働党への支持が強くなく、しかも保守党票がUKIPに奪われている状況では、それらの議員の多くが生き延びる可能性がある。

自民党は既に、2015年の総選挙では、現在自民党議員がいる選挙区に全力を投入する戦略を立てており、それ以外には資源を投入しない方針である。5月2日に地方選挙と同時に行われた下院の補欠選挙で、自民党は7位で供託金没収となったが、これはその一環である。

そのため、自民党は、現在の政治状況が続くことを希望しており、戦略的観点からも、保守党のキャメロン首相らの望むUKIP対策に同調する可能性は極めて低いといえる。

保守党

保守党は、UKIPの台頭で大きく票を奪われており、その結果、保守党内での亀裂がさらに大きくなってきた。UKIPへの支持率は、来年6月の欧州議会議員選挙でさらに大きく高まることはほぼ確実であり、保守党にとってはこれからさらに厳しい状況となるだろう。景気の急好転など、政権の信用度が大きく高まるようなことがなければ、事態の改善は難しい。

労働党

野党第一党が政権を獲得するには、次期総選挙まで2年の時点でもっと大きな支持率の差が必要という見解があるが、UKIPの台頭で状況が変わってきた。労働党は次期総選挙で第一党となると見られているが、その課題は、単独で過半数が占められるかどうかになってきている。

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