サッカーの人種問題(Racial Issues in Football and Beyond)

サッカーのリバプールFCのフォワード、スワレスが、マンチェスター・ユナイテッドのディフェンダー、エブラに対して、試合中に人種差別発言をした問題で、FA(イングランドサッカー協会)は、スワレスに8試合出場停止、しかも4万ポンド(500万円)の罰金を科した。

この件で、リバプールFCは、スアレスは無実だと主張しながらも処分を受け入れることとした。

人種問題は、サッカーの世界でも大きな問題で、欧州でもイタリアや東欧諸国でよく見られる。

スワレスは、エブラに対して使ったとされる「二グロ」という言葉には、母国のウルグアイでは何も人種差別的な意味はないと言い張った。しかし、ここはイングランドであり、また、サッカーの試合中に敵方の選手になぜそういう言葉を使わなければならなかったのだろうか。なぜ、一方のチームの選手が他方の選手の皮膚の色を云々する必要があるのか、ということである。

サッカーの試合中の人種差別発言では、最近もイングランドのキャプテンのチェルシーのジョン・テリーの問題がある。テリーの場合、この発言を警察が取り上げ、テリーは、2月に裁判所に出廷することになっている。テリーは人種差別的な言葉を使ったことは認めているが、それは、相手方の選手が言ったことを繰り返しただけだ、と主張している。

テリーがその言葉を使ったことは、試合のテレビ画像で明らかであるが、その言葉を使う直前の画像が、他の選手の頭でさえぎられており、「俺が***と言ったって?」の「俺が…言ったって?」の部分が確認できないままであった。しかし、最近、新しいテレビ画像を警察が入手したと報道されている。もしテリーが人種差別発言をしたということが確認されれば、裁判がどうなるかは別にして、最低限スワレスの受けた罰を受けることになる。その上、イングランドのキャプテンの地位を失うのは間違いなく、しかもイングランドの選手としてプレーすることが妥当かどうかの問題となる。

人種差別の問題は、サッカーの場だけではなく、英国のあらゆる場で見られる問題だ。スティーブン・ローレンス問題は象徴的な問題である。1993年に黒人の少年が、白人の若者のグループに無差別の人種攻撃で殺害された問題であるが、少年の両親らの長い苦しい奮闘の末、数日前に犯人が有罪となった。この過程で、事件を捜査した警察にも人種偏見が深く根付いていることが白日の下にさらされた。

英国の行政や企業の中でも人種問題は、はれ物を扱う状態になっている。マイノリティの昇進を促進し、差別を防ぐために様々なルールを設けているが、その一方では、人種差別で不利な扱いを受けたと主張されることを恐れ、過分に慎重に対処する傾向があるということだ。本来は、皮膚の色に関わらず、すべての人を同じに扱うことが基本であるが。

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