困難な時にこそ政治家は夢を語れ(Politician’s messages in times of trouble)

年末年始の新聞報道で、特に印象に残ったのは、12月30日のタイムズ紙の社説である。この社説では、野党第一党、労働党の党首、エド・ミリバンドの新年のメッセージが取りあげられ、困難な時に政治家がどういうメッセージを出すべきかに触れている。ミリバンドは、困難な時には、我々の目標を下げるのではなく、逆に上げるべきだと言ったのである。タイムズ紙は、苦しい時に、国民に我慢、耐え忍ぶことを求めるだけでは十分ではない、国民に、国が復興する、そして将来への明るい見通しが感じられるようなビジョンを提供しなければならないと言うのだ。ところが、現在の保守党・自民党の連立政権は、そのようなものを提供していないと指摘する。通常、タイムズ紙は、あまりミリバンドを評価していないが、この点では、私も同感だ。英国、日本に限らず、苦境に立っている時こそ、政治家は将来の夢を大いに語る必要がある。